2020年7月12日(日) 参加者 15名
はじける笑顔!飛び出す生き物!何でもみっけ!交流会!
昨日来の雨模様とは一変?久しぶりの太陽の姿を!駅前には古くからの会員さん、初めての参加者、何度かの会友さんたちが集まっていた。スタッフのMさんのお手製!小網代の森を守る会から引き継いだカニグッズの中の手ぬぐいを使ったカニのマスクが配られます。コロナ禍の折り、グッドタイミングのプレゼント。
バスと車で移動し、10時、昔の水道広場で開会へ。今度はNさんの差し入れの三浦産、季節の野菜が配られます。そして、マジックとA4半切の紙3枚が配布されます。「森を歩きながら気になったことを5または、7文字にして紙に書いていって下さい。後で、ランダムに5・7・5と組み合わせて小網代戯句を作ります。」皆さん、これでは頭にイメージが湧かないようなので、スタッフがいろいろ補足してくれる。
階段を下り始めると参加者の方から、昔はよくこの森に入ったとの言葉が聞こえる。何が好きなのか聞いてみると昆虫、とりわけ蝶という話。これは嬉しい。いつも、貴女何蝶?と自信なく見ていた私たちに力強い元蝶青年が参加してくれている。「いやあ、みんな忘れているよ。」と遠慮がちに私たちの期待には添えないようなことをおっしゃる。所がなんとなんと歩き始めて階段から森の中を見回すと、すぐにもひらひら飛び交う蝶が。「ジャコウアゲハ」の一声でみんながその方を探す。見つけたら嬉しい!そんな素敵な流れが最後まで続きました。ちなみに今日見つけた蝶類は16種。森中の蝶がこの僅かな晴天を祝い舞っているようでした。
クサギの葉に沢山のつぶつぶがついていた。Hさんにスマホで確かめて貰うと「クサギハコブフシ」。 この虫こぶの中に植物に寄生する無数の0.2mmのウジ虫のような幼虫が育っていると後で調べた。成虫はダニの仲間で足は2対、単性生殖で受精しないメスはオスしか産まない。受精したメスは両方が産まれる。成虫で冬芽の鱗片などで越冬すると。
下見で見ていたジャゴケの崖の側にタシロランを探したり、遠くまで香るヤマユリの開花したばかりのようなみずみずしい花の姿を山裾の茂みに見つけたり、その間にも聞こえる鳥の声に耳を傾けたり五感が忙しい。丁度、現れたアカテガニのメスを捕まえて透明袋に入れて回覧。戻ってきて放してやるのも忙しい。ここには昨年はあんまり目立たなかったヒメヒオウギスイセンの花が多く咲いていて、外来種の旺盛な繁殖力に驚く。我が家の庭にさえ今年は2株、花が咲き出しているのだ。招かれなくても咲いているのかも知れない。
下流の大湿原に向かうとコガマが花盛り。また、行くと今度はヒメガマの群落。また、歩くと大きいガマの穂が。ここではガマの3種を目の前にすることが出来る。ニカノメイガの幼虫が関係するアシの葉の草梯子を見たり、カバキコマチグモの卵が三角に巻かれたアシの葉に母グモと一緒に入っているものを久しぶりに見たりして歩いた。オオシオカラらしきトンボもじっとボード上に止まっている。
やなぎテラスで大休止。I.Nさんの差し入れのお菓子を配る。写真も撮る。カメラマンはH.Nさん。
昆虫好きのTさんにここに沢山見られるヒモミノガを教えたかったが、見つからない。
15分ほどお休みして12時30分、河口の湿原に向かう。まだ、ハンゲショウの花が咲いていて嬉しい。スタッフ研修で観察した、水辺公園のハンゲショウの花が、ふわふわと白い雲のように咲いていた様子とはちよっと違う。ここでもハンゲショウの花の中に身を置いてみたいものだ。
13時、えのきテラスに着いたのに後続がない。暫く待っていると、粘菌ガールのMさんが嬉しそうにスマホの写真を見せてくれた。途中のエノキ? にシロウツボホコリとアオモジホコリの2種見つけたそうだ。
昼食の後は、戯句づくり。上の句、中の句、下の句に分けて入れて貰った短冊をランダムに貼り合わせて読み上げる。うまく出来たかな? 参加者の反応でブーとグーに分けて行く。グーの中から2つずつ掲げてベストを選ぶ。今回は爆笑とまで行かなかったが、そこそこ楽しい時が過ごせた。
ベスト3の紹介
@ ガビチョウの こあじろの森 川の音
A 梅雨の間に 連結トンボが しらね草
B ナミアゲハ 貴重な出会い ウキウキと
トイレの方を待ってお休みしている時、えのきテラスへ向かってくる日傘を差して風に揺れた夢二の美人画のような様子の方が見えてきた。「Nさん!」声を掛けると果たして小網代詩人の登場です。みんなが大歓迎の声を挙げる。詩人はここでお昼。
14時10分、ここでSさんとお別れ。大多数の方は北尾根へ向かう。残ったメンバーは、干潟でじっくり、ヤマトオサガニ、チゴガニのダンスを久しぶりに見る。それから北尾根へ。セリを食べ尽くして枝だけになっている所にぶら下がるようにキアゲハの幼虫を見つけて、お写真タイム。階段の途中でオオバノトンボソウを見つける。道を上がった所、マテバシイの広場で少し、息継ぎ。この間にマテバシイの幹にヒモミノガをH.Nさんが見つけてみんなで覗く。蓑から小さな黒い顔を出している様子はホタルトビケラそっくり!ミノガの生活は、面白いので調べてみて下さい。この北尾根ではクロマドボタル、ウラナミアカシジミを見つけたことがあるなど紹介したりして歩く。
ツバキの実がたくさん、砕かれて落ちている。誰の仕業か推論が飛び交う。北尾根を抜け、畑のT字路で、引橋に行く道と三戸を通って三崎口へ歩く道で二手に分かれる。ここで、本日の交流会は終了。次回もどうぞ、ご参加下さい!
引橋への道でシロテンハナムグリやクロカナブンなどを見つけ、崖の草の上に青と黒と白のカミキリを見つけた。ラミーカミキリ!と叫んだのだが、触角が短いとの会員さんの声。
翌日、一緒にみた会員のEさんから「私はラミーにしては小さい。長い触角がないから違うと言いましたが、撮った写真を拡大したら、触角は短かったけどラミーでした。」とメールを頂いた。これも小網代の森の住人に違いない。
15日になって参加したスタッフのYさんから作詠の葉書が届いた。
見事に森の晴れ間の一日が詠まれていますね。
蝶の16種
モンシロチョウ、スジグロチョウ、モンキアゲハチョウ、アオスジアゲハチョウ、ナガサキアゲハチョウ、キチョウ、ナミアゲハチョウ、カラスアゲハチョウ、ジャコウアゲハチョウ キタテハチョウ、ルリタテハチョウ、ゴマダラチョウ、ルリシジミチョウ、ベニシジミチョウ、ヤマトシジミチョウ、セセリチョウsp.
鳥の11種
ウグイス、ガビチョウ、コゲラ、メジロ、カラス、トビ、ホオジロ、シジュウカラ、スズメ、アオサギ、ツバメ
その他
ニイニイゼミの声、タイワンリスの声
(鳥の記録:加瀬アンナ、全体記録:三本保子)
記 宮本美織 写真 浪本晴美
昨年秋の台風から今回のコロナ禍まで、森は実に長いこと閉鎖されていた。
2019/ 09/09 台風15号による被害のため、全面閉鎖
10/04 宮ノ前からやなぎテラスまでの一部解除
10/11 台風19号に備え全面閉鎖
11/16 宮ノ前からやなぎテラスまで一部解除
2020/ 01/10 宮ノ前から引橋まで解除(北の尾根は閉鎖)
03/05 全面解除
04/08 新型コロナウィルスによる緊急事態宣言を受け、全面閉鎖
06/09 全面解除
(横須賀三浦地区県政総合センター環境部みどり課に確認)
昨年9月から今年の6月にかけての9カ月のうち、通り抜けが出来たのは1〜4月の3カ月、全面解除は3〜4月の1カ月のみだった。
幸い2月2日の鳥の交流会は開催できたが、4/29の交流会は中止せざるを得なかった。
我々の森ロスの気持ちはたかまるばかりだった。
6月9日全面解除と聞いて、10日さっそく三浦市在住のスタッフ二人で駆けつけた。ワクワクする期待と、反対にどうなっているだろうという不安の両方をかかえて入った。
ほーっと息をのむような緑に包まれ、心配なんて吹き飛んだ。人間の事情に関係なく、草木はめっちゃ元気で、清浄無垢な美しさを湛えていた。ちょっと今までにない感動を覚えてしまう。
キツツキのドラミング。私にはアオゲラかアカゲラかわからない。ホトトギスも鳴いた!
ハンゲショウの群落、半分白く。アシやガマがすんすん伸びて、シモツケの花、お久しぶり!オオシオカラトンボにアサヒナカワトンボ。オオスズメバチまで出てきて。テイカカズラの花の滝! あまい香も漂ってくる。
浜に出ると、大潮なのか干潟が大きく出ている。チゴガニのダンスもちゃんと見られた。
北の尾根から帰る。男坂の階段途中で見つけた蘭は、オオバノトンボソウだと教わった。
いつもの小網代、いつもの森。こうでなくっちゃ!
また仲間としばしばお邪魔するから、よろしくね!
記・写真 松原あかね
多摩川下流域の東側台地には、荏原台古墳群と多摩川台古墳群と呼ばれる数多くの古墳が散在する。
地形的に、西の川崎側は平地が広がっている。対して、東は国分寺崖線と呼ばれる台地が続いている。太古の昔から、多摩川が洪水氾濫した時には平地の広い西側へ流れ広がったものと思われる。古代の人達は、もし古墳を設置するならばより高い台地状の最上部へ建造するものと考えたのである。遥かに富士山、丹沢、箱根の山々を望む景勝地である。
代表的なものでは、環8通りに隣接する世田谷区玉川野毛公園に存在する、我が国最大級の帆立貝式古墳である野毛大塚古墳。築造は古墳時代中期、約1600年前(西暦400年)、高さ11メートル、幅4メートル、全長82メートル。出土したのは刀剣、銅鏡、勾玉、甲冑等の副葬品。古墳の平坦面には、埴輪、他に鳥、家、壺等土器が多数並べられ、多摩川の自然石によって覆われていたという。最初の発掘は明治30年(1897)。古墳の被葬者は出土した副葬品からみると、畿内大和河内の大王と政治的関係をもった人物で、南武蔵「現東京川崎横浜」を支配していた大首長であったと考えられる。
東急大井町線の等々力駅下車、西へ10分。周辺は住宅地化が進んでいるが、周辺には古墳、横穴等約15ケ所が今も保存されている。
多摩川岸に沿って南下、東急電鉄東横線の多摩川駅の南側。現在は多摩川を望む大田区多摩川台公園は、川岸の丘陵全体が数多くの大規模な古墳が南北に並んでいる。
古墳群の北端に位置する、都指定史跡の蓬莱山古墳「平成8年3月18日指定」前方後円墳。昭和9年、宅地造成のために惜しくも古墳の一部が掘削された。築造当時は前方後円墳であることが確認されている。墳丘長は97.5メートル、後円部高さ11メートル。築造時期は亀甲山古墳よりも古く、出土した埋葬品から4世紀前半に遡るものといわれ関東地方でも最古の一つと考えられる。埋葬者は多摩川流域で最初に現れた首長の墓と考えられる。
桜の時には多数の花見客で賑わう自由広場には管理事務所があり、隣接して古墳展示室が併設されている。公園の遊歩道に沿って6基の古墳群が直線的に並んでいる。
最大のものは南端にある国指定史跡の亀甲山古墳「昭和3年2月7日指定」。東京都内最大の前方後円墳である。墳丘長110メートル、高さ11.75メートル。残念ながら未だ発掘調査が行われていないので、出土遺物がなく正確な築造年代は不明といわれている。形式から見て、蓬莱山古墳より新しく4世紀後半に築造された首長墓とおもわれる。
日本国最大の古墳では、大阪府堺市の大山「だいせん」古墳525メートル、伝仁徳陵。東日本最大では、群馬県太田天神山古墳の210メートルである。飛鳥時代になると古墳は仏教寺院へと移り変わってゆく。
世界3大陵墓といえば大山古墳、中国西安の前220年建立、秦の始皇帝陵で高さ76メートル、周囲6.2キロ。エジプトのカイロにある前2000年建立、クフ王のピラミットで高さ137メートルである。
我が国を代表する超高級住宅街地である田園調布の南側、駅前から坂を下り徒歩10分、蓬莱山古墳に隣接する広大な蓬莱公園。古木や樹木多く茂り、今も武蔵野の面影を残す閑静な自然公園で池にはマガモ等の水鳥が遊んでいる。碑文があり「風光典雅ニシテ樹林湧水の美」とある。
現在、東急電鉄田園調布駅は地下に移り、地上には昔使用した古典的な田園調布駅舎が復元され保存されている。
6月25日(木)参加者5名
ハンゲショウが見ごろを迎えていますよ。という情報をいただいたので、光の丘水辺公園へ出かけてきました。小網代のハンゲショウもきれいですけれど、水辺公園のはどんなかしら? そんな期待にワクワクしながら、YRP野比駅に着きました。駅舎はまるでツバメの集合住宅。可愛いけど、頭上注意です。
Mさんの車に拾ってもらい、一路光の丘水辺公園へ。水辺公園の外周にもハンゲショウがいっぱい。とってもきれいです。小網代のより葉が大きいように見えるのは気のせいでしょうか? 気のせいですね。
今の時期は、水辺公園でも変形菌が出ることが多いとのことで、変形菌のコレクションを拝見したり、カメラに納めたり。ちょっと探してみましょうか? 行きます! 行きます! と小躍りしながら変形菌探し、ハンゲショウはどこへ行ったやら……
ハテ。
変形菌探しに絶好の天気と言うには今一つ、どうやら明日あたりにニョキニョキ出てきそうな気配ですが、いくつか見つけることができました。久しぶりに見つけた変形菌たちに、参加者一同ニッコニコです。
(写真は翌26日に再チャレンジした際のものです)
開放中の園奥は、白と緑に彩られて、上等なペルシャ絨毯のよう。
圧倒的な量のハンゲショウ! ハンゲショウ! またハンゲショウ! ワ〜ィ! です。
倒れてしまった木を利用した、テーブルセット。 お弁当を食べたり、おしゃべりしたり。
もちろん休憩場所としても。
思わず、長居してしまいそうな、楽しい空間ができていました。
光の丘水辺公園友の会会長の別府さんに、午後の時間を、めいっぱい案内していただきました。ありがとうございます。
記 橋 美千代 写真 別府史朗 浪本晴美
7月5日(日)参加者7名
「近くに地衣類いっぱいの谷がある」と昨年の地衣類交流会に参加した三浦市在住の会員さんから情報をいただき、さっそく案内していただきました。かくれ菖蒲園近くの谷は、時折り車が通るものの、ひっそりとした、観察にはもってこいの場所でした。片側の岩盤や擁壁には地衣類がびっしり。レプラゴケとジョウゴゴケモドキのような地衣類が多かったです。
小網代で見たジョウゴゴケモドキより随分と小さいので、種類が違うかもと思い、地衣類ネットワークの山本先生に尋ねてみました。地衣類も生育環境が悪いと、貧相になるそうです。
陽があまり差し込まないひんやりとした谷は、夏の暑い盛りに歩いても、別世界。小網代の森歩き前後のオプションコースとしておすすめです。
記・写真 浪本晴美 6月25日(木)
2019年7月から2020年6月までの活動報告並びに次年度の活動計画を提案します。
第二部では、会報・カレンダー・DVDに写真をご提供下さっている、石塚敏久さんが小網代他各地で撮影された、生きものや自然の写真、アートな写真をご紹介くださいます。
どうぞご参加いただき、くらぶのこれからのためにご指導下さいますようお願いいたします。
※ 新型コロナウイルス感染の状況により、会場の使用が出来なくなる可能性もあり、その場合は、議長とスタッフによるオンライン総会を行い、皆さまにご承認いただきます。総会の議案書を別添いたしますので、総会出席・欠席のご予定にかかわらず、委任状をご返送くださいますようお願いいたします。
日 時 2020年8月30日(日)13:30〜15:00 会 場 南下浦市民センター 2階 講堂(三浦海岸駅徒歩1分)
一 部 議 事
二 部 写真ショー「新型コロナを吹き飛ばせ!小網代からParisまで・・・」 石塚敏久さん 14:00頃開始
※ 新型コロナウイルス感染の状況を勘案し、会場内ではマスクの着用をお願いいたします。
●総会終了後、時間と天候が許せばご一緒に、秋の気配が漂い始めた森を歩きたいと思います。とは言え、With コロナの夏ですから、マスク着用は必須。また密を避けるために日傘や折り畳み傘などのご用意をお勧めします。
年会費 1,000円(7月〜6月 入会金不要)
郵便振替
記号番号 00290-6-137203
加入者名 こあじろの森くらぶ ○○○○