2019年8月25日(日)、「こあじろの森くらぶ」 第4回の総会が三浦市南下浦市民センターで行われました。三浦海岸駅周辺では、まだ数多くの色鮮やかな海水浴客が見受けられる。総会会場内には、オープンギャラリーの展示として、約100枚の色とりどりの美しい森クラブの集合写真が飾られていました。
13時30分開始、受付は仲沢イネ子さん。全体の司会進行は鈴木カヲルさん。資格審査は松原あかねさん。出席者17名、委任状24名でした。議長の加藤利彦さんの手慣れた会議運営によって14時30分無事に総会は終了しました。
今後の予定で最も話題となったものは、10月20日(日)実施予定の「いつでも、どこでも、みんなの地衣類」の座学と現地実習です。地衣類の専門家をお呼びして、小網代の森を歩きます。昨年実施の「変形菌を探そう」は、座学と現地実習会は実に好評で多数の参加者がありました。
第5号議案では、新スタッフとして地元三浦市にお住まいの三本保子さんが選ばれました。よろしくお願いします。
休憩の後、第2部として会員の須田漢一さんのスライドショー「森と海辺と大地から」と題して映写がありました。総会の終了は16時でした。
記:祖父川精治
須田漢一さん プロフィール
1938年逗子市に生まれる。10代のころから自然に親しみ、読書、文芸を好む。リタイア後、山や森、峠を歩き随想をつづる。現在新ハイキングクラブ会員。かながわトラストみどり財団会員。小網代緑地保全支援会員。こあじろの森くらぶ会員。水辺公園友の会会員。日産労連・エルダークラブ幹事。
著書に『随想集 山の途中で』(2016年、かまくら春秋社) 『随想集 三浦半島森と海辺と大地から』(2018年、かまくら春秋社)がある。
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開会のご挨拶
会員のみなさま、スタッフのみなさま方のご協力ご支援によりまして、今年も無事に「第4回 こあじろの森くらぶ」の総会を迎えることができました。ほんとうにご出席ありがとうございます。
今年、最大のニユースは、小網代の森の入口に当たる「引橋」バス停に隣接する、元三浦高校跡地へ三浦市最大の商業施設「ベイシア三浦店」がオープンしたことです。広大なその建物2階の三浦市民活動交流センターへ「小網代の森」のコーナーが誕生しました。三浦市では、小網代の森へお出掛けの時には、ぜひお立ち寄りくださいといっておりました。また、無料の駐車場もできました。
活動については、特に報告できますことは以下のとおりです。
4月14日(日) 昨年に引き続き、横須賀市光の丘水辺公園の遠足です。白い春の花「ニリンソウ」を見に行きました。私は、北アルプスの上高地や相模原の城山で大群落を見ておりますので、山の花と思っていましたが温暖な横須賀市の公園で見られるとは驚きでした。ぜひ、来年予定の観察会へご参加ください。
6月2日(日)夜 「ホタルを見にいこう」を実施しましたところ、多数の参加者がありました。神奈川県では、平時夜間は、閉鎖しておりますがホタルの時期のみ開放しております。今年は、2019年5月23日(木)から6月2日(日)まででした。人気がありまして、一晩で500から1000人位の人出です。ホタルも数多く、警備するスタッフの話では、一晩で1000匹位は出るといっておりました。エノキのテラス両側の森から、上流域まで数多く出ておりました。この夜、小雨模様でしたが、ライトと傘等の雨具の無い人たちが目立ちました。
昨年の9月15日(土) 交流会として、潮風スポーツ公園会議室で「変形菌を探そう」を実習と講義を開催しました。多数の人たちの参加がありました。講師は「ミュージアムパーク茨城県自然博物館」の宮本卓也先生です。この春の人事異動で教員に戻られたそうです。森中にこのような生き物がいたとは、私たちは今まで幾度も歩いているのに全く知らずにいました。小網代の森で、新しい森の妖精といった自然の発見といえます。こあじろの森クラブ発行の、ハガキ版のカレンダーの表紙をご覧ください。色鮮やかな変形菌が見られます。
総会の第2部としまして、いつも随想を会報へ連載して下さっている会員の須田漢一さんが撮影された、生き物や自然の写真集を「森と海辺と大地から」と題してスライドでご紹介します。どうぞご期待下さい。
会員の皆々さま、ぜひ会の行事へ参加して頂き、小網代の森くらぶの活動をご一緒に楽しまれることをお勧めします。
祖父川精治
閉会のご挨拶
どうもありがとうございました。2部のスライドのような生きものや景観が、本当に黙っていれば、いつまでも残ってゆくはずなので、今の小網代の森にも所どころに残っていると思いますけれども、これからも心静かに見守ってあげて、SNSに上げないように、静かに見守ってあげましょう。
そういうことで、今日はこれで、「こあじろの森くらぶ」第4回総会、皆さまのお陰で無事終了することができました。ありがとうございます。お気を付けてお帰り下さい。
高橋伸和
総会議案書
議案書の内容は会員限定の公開です、会員の方は会員専用ギャラリーへログインしてご覧ください。
祖父川精治
平成28年11月24日(木) 11月下旬の初雪としては、実に54年ぶりの大雪となった。
前日の11月23日(水)祝日、重厚な茅葺屋根の取り換えで新装なった、伊勢原市の日向薬師から、大山、日向山へのハイキングへ出かけました。途中で「クマ出没」「クマにご注意ください」の真新しい看板が2ケ所へ掲示されていた。
ヒトは文字が読めるから看板といえども、周囲をぐるりと見渡して迫力十分。恐怖感が頭から湧いてきてゾーとする。クマに対しても、出てきてはいけないよと絵で表示できないものかとおもった。近くには細かな文字で、神奈川県湘南地域県政総合センター設置のクマに対する心得と注意文が表示されていた。
神奈川県では、丹沢山地のクマの生息数は30から40頭としている。この数は数十年前から少しも変わっていない。それだけに、生息数を推定し表示するのは実に難しいといえる。
新聞報道によると、全国では年間の目撃情報はなんと平均1万5千件に上るという。我が国最大の野生動物のクマは、平和で豊かな山や森林の自然環境を代表する生き物である。
大きな文字で次のように書いてある。
● 音を鳴らして行動する
● 見はらしのよい場所を歩く
● 出合ったら刺激せず、その場をソット立ち去る
細かな文字で
◎ クマとの出会いをさけるために
◎ もしクマにであったら
◎ クマをおびきよせないために
クマは、するどいツメと大きな歯を持っていて、時速40キロメートルの速さで走ることができます。 突然の出会いで、引っかかれたり押し倒されると大けがをすることがあります。
クマによる人身被害を防ぐには、「クマとあわない」「クマを引き寄せない」ことが第一です。 それでも出合ってしまったら、「興奮しない、させない」ことが基本となります。
以上のとおり、ツキノワグマによる被害を受けないために! と注意書きがあった。
クマは文字が読めないからよいけど、この看板を見ているだけでも、体がゾクゾクブルブルとしてきた。足早に山道を下ることにする。
一人では歩かない。鈴、笛、ラジオなど音のでるもので存在を知らせる。仔グマを見たら素早くそっと立ち去る、必ず近くに母グマがいる。
以上は、神奈川県湘南地域県政総合センター環境部設置の現場に設置された「クマ注意」の立て看板より、一部を引用しました。
私は、山を歩いていてクマと出会ったことはないが、クマ棚と呼ぶ樹木上へクマの登った跡を見ている。他には、北陸・富山県下の山でクマの落し物があった。場所は登山道の真ん中、無防備で弱い姿勢をさらすのでクマといえども見晴らしの利く所を選んでいるなと思った。かなりの量の落し物で、消化の悪い木の実や種が混じっていた。
8月17日(土) 参加23名
2年目の今年のアカテガニ遠足には、以前やっていたようにアカテガニのお母さんが放したゾエア幼生を捕らえて、ファーブルという野外観察用の双眼実体顕微鏡を皆さんにお見せしたい!
スタッフでの下見の打ち合わせ通りワイングラスはSさん、双眼実体顕微鏡はM、そこに写すのに使うスポイトはKさんが用意。2週間前の大潮の晩に実踏を済ませ 準備万端の19年夏のアカテガニ遠足。ところが8月15日に日本を襲った台風がスタッフの不安を呼び、スタッフメールが行き交います。
「午前中に下見をして、当日の佃嵐から栗谷浜コースが安全か確かめてはどうですか。」
「別の日にスタッフ会議を設定するのは難しいのではないですか。」
「午前中からの行動はとっても体力的にも無理です。」
「午後から予定されているスタッフ会議を延期して、今の海岸の様子をみにいったらどうですか。」
「それが良いですね。」
「明日、午前中空いていますか?」「参加できます。」
などなど、飛び交っていましたが結局、10時に三崎口に集まれた3人で下見に出発。12時までにホームページ担当のHさんに遠足の実施可能かどうかを発信してもらうことにしたのです。
10時に集まった3人は、波にもまれながらも出港する小さな船をみながら佃嵐までの磯を歩きます。潮が引いている状態で潮が満ちてくる状態を想像しながら歩くのです。風が強く煽られながら歩きます。ハチジョウナが満開、スカシユリの実がついている。黄色いハマカンゾウが数本咲いています。地衣類の目を持つNさんは潮の吹き付ける岩に見つけた地衣類と思われる一塊にカメラを向ける。ハマエンドウの紫の花が少し。
植物に目を奪われながらも今日の夕方の荒磯コースの可能性を議論!結局、無理はしないことで合意。2カ所の集合場所で遠足参加者を待つことにしました。
16時5分のバスでソレイユの丘参加の方々、16時半頃ソレイユの丘直接参加の方々は2家族と個人3人、バスの乗り遅れタクシーで農道を通って貰ってバスより少し早く参加できた祖母孫二人の三人が集まり、合計23人でアカテガニ遠足のはじまりです。
以上写真:浪本晴美
ソレイユの丘の中の水上ステージで今日の予定を聴いて、荒磯コースがなくなったのでみんなで、栗谷浜漁港へ移動です。おっとひまわりの畑は通りすぎることはできません。集合写真です!
浜についたら一休み、観察場所の浜掃除です。プラスチックやペットボトルを中心の45リットル袋を3つ、あっという間に拾いました。ちなみに持ち帰った筆者は家でペットボトルのラベルと蓋を別にするこの地域のやり方で分別、資源ごみと埋め立てごみの2回に分けて持って行って貰いました。海洋プラ汚染に少しだけ協力した私たちでした。
例によってお菓子が回ってきていろいろな味が楽しめる軽食時間の次はKさんのアカテガニが一杯の紙芝居で、観察時のマナーのご注意。次は小網代詩人の中井由実さんの自作の朗読「人間だ!」に続いて私たちもカニの気持ちになって朗読!風の強さにもめげない声が港の夕暮れに響きます。第2弾は「放仔(ほうし)の夜」。これも皆で気持ちよさそうに朗読!新しい文化の実行かなと感じました。実はこんなことが自然の中でできたらよいなと常々思っていたのです。
長靴を履いていよいよ岩場を目指します。ソレイユの丘から降りてくるカニのお産に立ち会うわけですが、なかなか姿が現れません。じっとじっとしているのですが、ちら、ほら。海へまっすぐに行くカニもあまりいません。追いかけ見ては裏切られます。こちらはじっと岩なのに。海に入っている足もザザーと波飛沫がかかります。台風の余波で波は荒いままです。長靴の中にまで潮がはいります。じっと耐えている方々にカニの気配を伝えてはじっとその姿を追いかけます。暗くなってきてTさんが海中電灯を着けても良いと指示をだします。いよいよ、カニの姿を明かりで追うのですがなかなか、海には入りません。シーと毅然としたNさんの声が聞こえます。初めて参加したハイティーンの女性2人にはちょっと厳しい時間だったかも知れません。でも、生き物の気配は十分感じて貰ったことと思います。
もう1時間たって今日は1匹も放仔の観察は駄目かしらと諦めて戻ろうと体を港の方に傾けかけた時、みんなの真ん中の凹みにお母さんが一匹、ゾエアを抱えて海に入ろうとしているのを見つけ、みんなで囲んで見ることができました。みんなの目で追いかけられて波が寄せて返そうとする瞬間、グラスをあてるとその中にもゾエアが入り、念願のゾエア捕りもできました。
みんなで驚きのため息がでた瞬間でもありました。早速、動き出した幼生を見て貰いました。
陸にあがり、帰り支度をしている間にスポイトでファーブルに幼生を入れて皆さんに交代で見て頂くことができました。新しい命の生まれる瞬間に立ち会えたことは嬉しいことでした。 まとめの会でNさんから一言感想を求められて皆さん、最後の感想を言っていました。筆者は自慢げに「ゾエア捕り、30年! 思いが叶うことが嬉しい」と叫んでいました。
帰りのバスの案内をして、今日の遠足は無事終了!
来年は台風の影響を避けて、7月にやりましょう!
T.Ishizukaさんのあんな暗いところで写したカニの写真をHPで拝見させて頂きました。肉眼では見えにくい岩場のカニたちをしっかりと捉えている写真の鮮明さに驚きました。ご協力がありがたいと思いました。
記 宮本美織
令和元年9月9日に発生した台風の影響により、小網代の森において倒木等の被害が確認されておりますので、小網代の森を一時立ち入り禁止にします。安全が確認され次第、再開します。(神奈川県HPより)
スタッフの活動
2019.07.28(日) |
小網代の森くらぶ通信No.17印刷・発送
スタッフ会議(横須賀市立 市民活動サポートセンター) |
2019.08.01(木) |
アカテガニ遠足下見 |
2019.08.17(土) |
アカテガニ遠足、コース安全確認
スタッフ会議(潮風スポーツ公園)
アカテガニ遠足 |
2019.08.25(日) |
スタッフ会議
第4回こあじろの森くらぶ総会(南下浦市民センター 研修室)
議事終了後、会員の須田漢一さんによるスライドショー「「森と海辺と大地から」 |
ご寄付ありがとうございます
石川登美子 蛯名喜代作 大高義彦 大塚敏 奥津信子 柿島京子 加瀬アンナ
倉内大輝 倉内ちひろ 塩入一弥 嶋津誠 鈴木カヲル 鈴木慶子 鈴木久夫 須田漢一
祖父川精治 高橋伸和 土屋圭子 仲澤イネ子 浪本晴美 西川次代 野内博 橋美千代
藤崎英輔 藤野秀代 松原あかね 三本保子 宮下孝一 盛野成信・雅子 山本述子
(50音順 敬称略)
ありがとうございます、大切に使わせていただきます。
第18回交流会のお知らせ
昨年春の交流会「地衣類って何だ?」で、地衣類がどんなものかを知り、結構いろいろな種類の地衣類が目につくようになりました。虫や花と違って、いつでも観察できるのに、その存在すら気にとめていなかった地衣類。もっとわかるようになったら、人生何倍も楽しめそう!専門家の先生から学べる、またとないチャンスです!
開 催 日 |
2019年10月20日(日) *雨天決行 |
申し込み |
メ ールまたは電話でお申込みください(申込多数の場合は先着順になります)
info@mori-club.com(高橋)
TEL.046-889-0067(仲澤) |
お待ち合わせ |
10:00 三崎口駅前 |
講 師 |
山本好和先生(地衣類ネットワーク代表) |
行 程 |
午前 スポーツ公園会議室にて座学、昼食
午後 「小網代」バス停から白髭神社にかけて地衣類観察 15:30頃 白髭神社にて解散 |
持ち物 |
ルーペ、昼食、飲み物、そのほか必要に応じ雨具、帽子など |
対 象 |
「こあじろの森くらぶ」会員とそのご家族、ご友人 |
*定員20名。参加ご希望の方は事前に森くらぶまでご連絡ください。 |
*保険はありませんので、ご参加は自己責任でお願いします。 |
*午後の行程は小網代の森の外ですので、通行禁止が解除されない状態でも実施いたします |
山本好和先生プロフィール
地衣類ネットワーク(http://jlichen.com/)主宰。
大阪市立自然史博物館外来研究員、秋田県立大学名誉教授。日本地衣学会元会長。
日本全国各地で地衣類観察会を開催。「木毛」ウォッチングのための手引きシリーズを発行。
* 「木毛(こけ)」ウォッチングのための手引きシリーズ 上級編、中級編(東北、近畿、その他各地)、初級編があります。今回の交流会では希望者に中級編(鎌倉・三浦半島の地衣類2017年版)を頒布可(1,000円)。
* 以前手引きを購入させていただいたことをきっかけに地衣類ネットワークのニュースを配信していただくようになり、普段は大阪にお住まいの山本先生が関東にいらっしゃる機会があるとわかりました。無謀にも交流会での講師をお願いしましたら、快く引き受けてくださいました。(浪本)