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第31回交流会「ホタルを見に行こう 2022」


第31回交流会 2022年6月4日(日) 参加者21名
待ちに待ったホタルの交流会、今回は久しぶりに小学生や小さいお子さんのいるご家族の参加もあり、にぎやかな会となりました。16時駅集合、引橋までバスで移動し、森の入口で簡単なガイダンス後、まだ日差しの明るい中央の谷を下っていきます。「あ、トンボ!」「こっちにもいたよ~!」と目の良い子供さんたちはあっという間に「トンボ眼」を獲得。川の中を覗き込むと、カワニナが無数に這っています。これがゲンジボタルの餌になるんですね。周りはドクダミが花ざかり。まるで満点の星のよう。ここでクイズ「ドクダミの花は何色でしょう?」目の前で見ているみなさん「白!」・・・残念。白いところは実は葉が変化した総苞片で、花は真ん中に飛び出した黄色いところなんです。「あ、そうだった」ついついひっかかりました。ハンゲショウの葉もほんの少し白くなり出していましたよ。

記・写真:浪本晴美

ペルルカフェのテラスで、ホタルの出を待ちつつ
多くの人が集まることが予想されるため、森の中での飲食と、えのきテラスの占有は禁止となっていた。ペルルカフェの行列そこで今回はペルルカフェと、小網代パール海育隊のご好意でテラスを貸していただき、おかげで参加者はまとまって、密度の濃い時間を過ごすことができた。 持ち時間は一時間。ササっと軽食をほおばり、ほとんどの方がデザートのソフトクリームまで平らげる。お腹がくちくなり、疲れもとれてきたところで、ここからが怒濤のホタル関連プログラム! はじめに、ホタルが題材となった日本の古典が紹介される。枕草子、源氏物語、松尾芭蕉、豊臣秀吉などの俳句や和歌。昔はことさら出掛けなくても、身近にホタルが見られたんだろうな。夜の暗さとホタルの明るさは、昔の人には身に染みて感じられただろう。特に源氏物語の蛍の帖では、御簾の中の玉鬘(たまかずら)に言い寄る兵部卿宮が、源氏がいたずら心で放った、無数の蛍の灯で彼女の横顔を垣間見てしまい、ますます想いをつのらせる……。なんてロマンチックで美しいシーンであることか! お次は、前日完成の紙芝居、「ゲンジボタルものがたり」の初お披露目。大人も子どもも、案外知らないホタルの生態をわかりやすく伝える内容で、子どもたちも熱心に見てくれる。生まれたホタルの卵は、すべてが大人になれるわけではないし、大人になっても、お嫁さんを見つけて飛び立った矢先に、クモの巣に引っかかって食べられちゃうことだってある。ここでスタッフの中井さんの詩「叫び」を紹介。大書した詩を、みんなで声を合わせて読み上げる。また、水がきれいじゃないと、幼虫のえさとなるカワニナが住めない。護岸がコンクリートだったら、苔が生えず卵を産み付ける場所がないし、土繭(つちまゆ)も作れなくて蛹(さなぎ)になれない。ホタルにとって、小網代の自然環境は、本当に貴重だね。 はっと気づくと辺りはじわっと暗くなって……。いけない、いけない!出発の時間だ。さあ、今夜のホタルはどうだろう。
記 松原あかね  写真 浪本晴美

紙上で突然クイズです。当日出された俳句、和歌の作者はだれでしょう?
1.昼見れば 首筋赤き ほたる哉
2. 三の間の 水は甘いか 飛ぶ蛍
3. こゑにせで 思いに燃ゆる 蛍こそ いうよりまさる 思いなるらめ
4. 夏は夜 月の頃はさらなり 闇もなほ 蛍の多く飛びちがひたる また ただ一つ二つなど ほのかにうち光りて行くもをかし

次に出来立てホヤホヤの紙芝居、「ゲンジボタルものがたり」をスタッフのA.Mさんが、読み聞かせしてくれました。
紙芝居の中で、子ども達に聞きました。
Q1ホタルの光の強さは、オスとメスどっちが強い?
A1オスが強い

Q2ホタルはどうやって、相手を見つけることが出来るのかな?
A2高い所からオスが光り、低いところにいるメスが光る、オスは高いところから低い光を見つけ、出会う事が出来る

続いて子どもたちからの質問
Qホタルはどうやって光っているの?
A大人ドッキリ!子供向けに説明するのが難しくて答えられませんでした。
ザクッと言えば、ホタルの発光器の中にある2種類の物質に、体内の酸素が混ざると化学反応を起こして発光する。
と、いうことなのですが、子ども用の説明をつくるのが間に合いませんでした。 どなたか来年向けに分かりやすい説明を作ってくださいませ。

スタッフのNさんから、観察会終了後の集合方法などを案内し、出発しました。
紙上クイズの答
1.松尾芭蕉
2.豊臣秀吉
3.紫式部(源氏物語)
4.清少納言(枕草子)

記 三本保子+M.H  写真 浪本晴美
森に向かって歩きはじめたのは、まだ明るいときだった。
白髭神社側の小道をとおり、カニのマンションの前をすぎて、干潟へのボードウォークを歩くと、もうエノキテラスにはたくさんの人!あふれそう!みんな蛍をみにきたんだね。
私たちも森の中へ並んでゆっくり歩いてゆく。前はNPOのお兄さんが声をかけながら歩いてくれる。でも、まだ夕暮れのうすあかり、後ろから押されるのでどうしても前に進まなければならないけれど、あまり早く歩いてしまっては蛍が出る前に森を抜けてしまうのではないかと心配になる。
でも、そんな心配なんて、まったく外れていた! ふとみると、遠くの森の端のくらがりから、ふわふわとちいさな光が、ひとつ、ふたつと上がってきた。反対側の山の下影からも、ふうわりと光りの玉が、ほら!あそこに!
思わず大きな声で教えてしまった。わぁ、あそこにも! 蛍がいる!遠く山の黒い影から湧き上がるように出てきた光にみんな驚きと喜びの声をあげた。 両脇をみながら、どんどん光をみつけて思わず、足が速くなる。
ヤナギテラスでは、足元にとんできた蛍がすぐそばの小枝にとまって大きく光った。
みな駆け寄って蛍の肩が赤い色をしているのも見えた。さっき紙芝居で教えてもらったとおりだ。
それからの道は先へゆけばゆくほど、蛍が湧きあがるようにあらわれて、頭の上を大きく舞って、それをおいかけると、足元のボードウォークをふみはずしそうになる。NPOのお兄さんの注意の声が大きいがしかたがない。
真ん中湿地は道が往路と復路に設定されていてよかった。
最後の源流の階段までも蛍が舞っていた。小網代の谷、ぜんぶ蛍が飛んでいた! 子供たちも大人たちもみな喜んでいた。
記 鈴木カヲル

 

 

 

ご参加の皆さまからコメントをいただきました

★ すごく楽しかったです。紙芝居も素晴らしかったし、もう最高でした。ありがとうございました。(M.O)
☆ 楽しかったです。(S.O)
★ 今日はありがとうございました。夜の小網代を歩いて、ホタルもあんなにいっぱい見られるなんて、すごく良かったです、きれいで。ただ、道のところに、でこぼこのところに、ちょっと、光るテープか何か置いておくといいかなと思いました。紙芝居もとても素晴らしかったです。ありがとうございました。楽しかったです。(A.E)
☆ ホタルたくさん見れました。きれいでした。(S.O)
★ 今日、たくさんホタルが見れて感動しました。どうもありがとうございました。(K.T)
☆ いっぱいホタルがいてびっくりしました。(N.O)
★ 今日、ホタルがたくさん見れて、とてもきれいでした。手に留まって、光ってました。オスでした。名前はほっ君です。ほくろが付いていたから。(A.T)
☆ ホタルが、めっちゃいっぱいいて、びっくりしました。100匹くらいかな、もっともっといっぱい10,000匹くらいかな。(Y.T)
★ 僕は、ホタルと星がどちらも宇宙に見えて、びっくりしました。また今度ゆきたいです。(R.T)
☆ こんなたくさんのホタルが見えると思ってなくて、動きといい、光りかたといい、神秘的で、ただただ圧倒されちゃって。今日は見れて良かったです。ありがとうございました。(T母)
★ 楽しかった。(ピカピカ光るホタルが)お豆みたい。(A.T)
☆ 本日は急に連れてこられたんですけど、日頃仕事をしてて、自然に触れる機会がなくて、たまたまこのホタル。いろいろな説明も聞いて、見て、すごく感動して、自然の大切さというのをすごく痛感した日でした。こういった自然を残す取り組み、そういったことに是非協力してゆきたいなという考えに変わったのと、すごくストレスが発散できたというか、そんないろいろな思いがあったので、すごく大切な一日になりました。ありがとうございます。(T父)
★ まだ、こんなにホタルが残っているところがあるなんて、驚きです。ありがとうございました。楽しかったです。(M.I)
☆ 今日は案内していただいてありがとうございました。このまま家に帰って寝るのみ。今日来たコースをもう一度思い出しながら、ラジオ深夜便までの時間を過ごします。 枕草子など文学作品の話は子どもたち向けではないけれども、私などの人生終わりに近い人からみると、意味深な言葉がたくさんあって、どういうふうに理解したらいいのか、想像力をかきたてられて面白い。昔の人は素晴らしいね。 紙芝居もとってもよかった。昆虫の生態もマンガチックに描いてあって、すごいね。最後のホタルの一生の部分も立派だった。語り手が別々なのが良かった。できれば途中、語り手がアドリブを自由に入れてやるのがいい。若いこどもたちはスマホでやるという方法もあるだろうけれども、私はスマホでやるより人間が語り部として直接話をしたほうがインパクトがあると思う。 欲を言えば、紙芝居の枠があるとよい。小網代の自然を表した装飾をして、持ち運びができるように折り畳み式にしてはどうか。紙芝居の動きがあるとさらによくなると思う。1か所半分引き抜いたりするところはあったが、もっとあってもよい。(E.F)
★ 森も気持ちよく歩けましたし、紙芝居も素晴らしかったです。ありがとうございました。(M.S)
☆ たくさん、全山通して見られて、本当に嬉しかったです。紙芝居もすごく良かった。紙芝居がなかったら、やっぱりこんな風に感動できなかったかもね。(K.S)
★ 久しぶりにお子さんたちの参加があって、嬉しかったです。一緒にウキウキした気分で歩きました。こどものエネルギーってすごい!(H.N)
☆ 今週の初めから、ずうっと紙芝居づくりに苦労してきました。でも、皆さんのおかげで、本当に救世主も現れ、読んでくださる方も素晴らしくて、良かったと思います。これからは、紙芝居があるので、堂々と自信を持って、みんなでやりたいと思います。(M.M)
★ ともかく当日、ホタルの観賞が無事に終わってホッとしています。 それと、森の様子が変化していて、森全体にホタルを見ることが出来て、足元を注意しながら、川の流れに沿って眺めていると光を見つける事が出来ました。あの長い登り階段の途中でもホタルを見つけることが出来ました。本当に感動ものです。(Y.M)
☆ 昨日スタッフが集まって作りあげたばかりの紙芝居を、無事に多くの人や子供たちにお披露目できてよかったです。今日のホタルは最高でした。(A.M)

 

 

 

紙芝居顛末記

 4月29日の通信印刷発送の日、集まったッスタッフで週末に控えた蛍交流会の持ち方が話し合われた。
 中央の谷を通って、小パール隊集会所の前のテラスで軽食、紙芝居、6時半になったら出発し、とっぷり暮れた森を歩きながら蛍を見る。最後にインタビュー、録音機を使って感想を聞いて解散! 確か一昨年は紙芝居、蛍の生態、クイズ、蛍の歌を歌ってから、夕闇に出かけたのだ。

 5月28日 小網代の森 蛍交流会の下見の日、横須賀市北図書館で蛍博士の大場信義先生の本を中心に4冊借りて、にわか勉強の元とする。
 5月29日 北図書館で取り寄せを頼んでいた「ゲンジボタルのゲンちゃん」紙芝居を受け取る。
 5月31日(火)借りた紙芝居だけではホタルの生態が分らないので、自作するしかない!以前に見た横浜自然観察の森の「ホタル」の紙芝居を思い出し、直接、見せて貰うことにして、金沢区のビジターセンターへ出かける。紙芝居作りのヒントを沢山頂き、文も写させて貰い、何とか自作紙芝居が出来そうな気がしてきた。お手伝いにスタッフにメールで金曜日のサポセンへの集合をお願いする。一人は電話でお願い。すると4名が手を挙げてくれた。
  6月1日(水)夜になって大場先生の本をヒントにホタルと日本人の文学との関わり、ホタルの一生を物語る部分、その中に小網代詩人、中井由実さんの「叫び」を入れてオリジナル性を入れた台本を作る。 枕草子の一部、源氏物語の蛍の巻から短歌、芭蕉の俳句、秀吉の俳句など一緒に読んで貰えるように大きな紙に短冊状に書き込む。中井さんの詩も紙芝居の中にうまく取り入れて貰えるようにカレンダーの裏に大きく書いておく。
 6月2日(木)朝、個人的にPCアドバイスを頂いているスタッフのHさんに電話して窮状を訴えどうすれば良いか教えて貰い、台本をスタッフメールに流して検討をして貰う。 午後、板目紙、マジック、色鉛筆などを購入。準備が出来たことをメール発信。
  6月3日(金)横須賀市民活動サポートセンター開館と同時に入館、NさんとA.Mさんが台本の手直し、それを元に場面ごとに大まかな絵を描いていく。最後の15枚目が終わった頃、サポセン入り口にスタッフの「のぶ」さんの姿が。みんなはビックリと同時に大きな安堵、嬉しい笑顔、明るい歓迎の声があがる。彼はいつもこあじろ通信の中で中井さんの詩に挿絵を毛筆で描いてくれていて、絵の的確さでは評判、定評があるのだ。
  「いつも、仕事で会の活動に参加できないので?・・・」その埋め合わせに来たと謙遜の言葉。 さっそく、紙に筆でアイデアスケッチを描いていく。言葉や写真を見ながらさらさら、さらさらと。周りのみんなは「さすが」と感心しながら、じっと筆の先を見つめる。
  下絵ができると、本番の板目紙に筆で描いていく。私たちは彩色作業。墨を摺るように色を出すんだ。アドバイスを受けながら、色をつくり、筆を動かしていく。どんどん、蛍のすみか、卵、幼虫、成虫などが生気を与えられて行く。出来た絵が次々、並べられていく。
  昼は惣菜パンとカップコーヒーで簡単にすます。4時になって超スピードで完成した紙芝居を持って裏に言葉をつけると担当のA.Mさんが持ち帰った。描き終わったのぶさんと少し、安堵のコーヒータイムで解散。
  この世に神という存在があるとしたら、今、ここに!を実感した一日だった。ちょっと言い過ぎかな?
6月7日 宮本美織
写真 浪本晴美

 

 

 

サロン小網代

随 想


2012年から10年50回にわたり「小網代てんてん」の連載を続けてくださった須田漢一さんですが、2022年4月6日、ご病気のため84歳で永眠されました。 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

サロン小網代

鎌倉殿の13人、畠山重忠

2022.7.8  祖父川精治

 横浜市旭区鶴ヶ峰と二俣川周辺には、鎌倉殿の13人の一人畠山重忠ゆかりの史跡が数多く残されている。また、昔から厚木街道と交差する二俣川は鎌倉街道の要路であったという。
  二俣川の南には、頼朝没後に内乱となり数万の鎌倉側の武将兵が押し寄せたという「万騎が原、まきがはら」という町名が残されている。そして万騎が原という地名を使った幼稚園、小学校、中学校が現存する。町中には、大きな石碑の「重忠公遺烈碑」がある。明治25年(1892)土地の人達である万騎が原地区の有志57人により建立された石碑である。
 近くには、旭区で設置した重忠関係の詳細な案内板が並んでいる。
 故大将殿(頼朝のこと)の御時、軍の先陣(最前列)をば畠山庄司次郎重忠こそ承しかども、其の人共は今はなし。今度の先陣、誰にか有べき。(承久の乱、北条義時のことば) 頼朝に従い、鎌倉方の有力御家人として大活躍した武将である。
 昔からこの地は「牧が原」といわれていたが、頼朝没後、鎌倉幕府内部の勢力争いに巻き込まれ北条氏ら数万の大軍と戦い非業の死を遂げたものである。この時の畠山重忠勢は数百であったと伝わる。また横浜市金沢区釜利谷南にある東光禅寺境内には、重忠の供養塔がある。
 頼朝から常に先陣を任されていたことから、容姿や体躯、所作が優れていたといわれる。
 そして、頼朝が亡くなる際には、重忠を枕元に呼び残された子供たちのことは頼んだぞと、いい伝えたという。
 重忠の伝説としては、1184年屋島一の谷の平家との戦いの時に、険しい「ひよどり越え」山の谷坂を下る義経軍の中でただ一人、愛馬を労り担いで下ったと伝えられる豪勇の武将であった。
 また、義経の思い人である静御前が鶴岡八幡宮神楽殿で舞った時に、重忠は銅拍子を打ち伴奏を務めたといわれる。鎌倉の永福寺の建立工事には、巨岩を一人で抱え運んだという強力無双の話が伝え残っている。
 二俣川、鶴ヶ峰周辺には畠山重忠、縁りの史跡が6ケ所も残されている。
 まず旭区役所構内には、柵に囲まれて首洗い井戸跡がある。区役所そばの小高い所には、西向きに首塚があり七輪の石塔が建っている。
 区役所から近くの国道16号と水道道が交差する所、茂みに囲まれて畠山重忠公碑がある。没後750年を記念して、昭和33年(1958)6月 地元の鶴ヶ峰と重忠公出身地である埼玉県深谷市畠山の有志により建立されたものである。
 本町通り薬王寺バス停近くに、曹洞宗東隆山薬王寺がある。
 畠山重忠を始め一族郎党134騎を埋葬したという六ツ塚が境内にある。丸い小さな塚である六ツ塚についての詳細な説明板があり、近くには「畠山重忠公戦没の地」と刻まれた大きな石碑がある。
 昭和10年(1935)神奈川県下の名勝史跡として横浜貿易新報社が建立したものである。六ツ塚の説明板によると、昭和48年(1973)6月22日に建立されたもので、激しい戦いや重忠戦死の様子が細かく述べられている。
 薬王寺では、毎年命日の6月22日には重忠の慰霊祭が執り行われている。
 鶴ヶ峰水道配水池の近くの駕籠塚には、重忠の妻「菊の前」を祀った墓がある。合戦の連絡を受けて馳せ参じたものの、重忠戦死の知らせを聞いて悲しみ自害したという。駕籠ごと埋葬したので駕籠塚といわれる。いつも美しい生花が供えられている。
 帷子川近くにある、さかさ矢竹。重忠が「我が心正しければ、この矢竹に枝葉を繁茂せよ」といい、2本の矢を地面に突き差したところ、この矢が根付き毎年繁茂していったという。

 

 

 

小網代を詩う








挿絵:「護る」 伸

 

 

 

 



神奈川県立歴史博物館

特別展 洞窟遺跡を掘る -海蝕洞窟の考古学-

 たまたま大浦山洞窟遺跡について詳しく知りたいと思っていたところに、折よくこの特別展が開かれることを知り、興味津々で出掛けました。 三浦半島全体で海蝕洞窟は約50ヶ所、そのうち調査して確実に遺跡と認められたものは、36ヶ所だそうです。
 三浦市南部の海岸線は、ほとんどが20~30mの海蝕崖で縁どられていて、それが縄文海進で沈みこみ、地層の柔らかな三崎層が波に浸食されて穴が開き、さらに地盤が隆起して多数の海蝕洞窟が出現しました。そのうち遺跡として調査されているのは、三浦市で25ヶ所だそうです。
 神奈川県立歴史博物館が発掘に参加した、大浦山洞窟遺跡、間口洞窟遺跡、毘沙門洞窟遺跡群を中心に、掘り出された大量の資料が展示されていました。海鳥、シカやイノシシなどの獣の骨や角、魚の骨や大量の貝殻だけではなく、人の骨まで。その頃(主に弥生中後期)の人々はずいぶんグルメで、アワビやサザエ、タイやカツオなど食べていたようです。
 また残った鳥獣の骨や角を、今で言うと、金属やプラスティックの素材を扱うように加工して作った、釣り針や銛やヤスのような、漁労、採集の道具も出土。特に離頭(りとう)銛(もり)といって、大型の魚に突き刺さって逃げられても、食い込んだ先の部分だけが離れて、つないであった紐を引いて魚を得る精巧な仕組みには驚きました。
 薄い灰と炭の層が幾重にも重なって1mにも及ぶ、堆積土層の写真も展示されていました。そこから、海藻を焼いて製塩をしていたことが想像されるそうです。アワビ等の貝殻を削ってできた貝刃(かいじん)や貝包丁を使って、効率よく海藻を採取していたようです。
 貝輪というブレスレットのような、二枚貝の貝殻のまん中をくり抜いた形のものが多数発見され、特に当地では生息しないオオツタノハ貝の貝輪製作途中のものが、大量に、三宅島から運ばれてきたということが、三宅島のココマ遺跡と照合してわかったということですが、当時の航海術はそこまで進んでいたのでしょうか?また、失敗作ばかりで完成品がみつからないことから、洞窟で製作し、完成品は内陸部、背後の台地上の赤坂遺跡や、遠く信州方面まで交易品として運ばれていたらしいことが、内陸の遺跡の出土品からもわかるそうです。
 海の民と陸の民の交流なのか、それとも普段陸で農耕生活をしている人が、農閑期に海辺の海蝕洞窟に来て、漁労生活を送ったのか、定住か、通いか……などなど、疑問がふくらみます。
 古い歴史書(魏志倭人伝など)に記載された卜占(ぼくせん)(動物の骨を焼いて、その焼け方で占う)の、シカなどの骨(卜骨(ぼっこつ))や亀の骨(卜甲(ぼっこう))が実際に発見されたのは、これらの遺跡が初めてだそうです。目の前に実際に展示された骨を見て、何を占っていたのか、想像するばかりです。嵐はいつやむのか?明日の船出は安全だろうか?etc. etc.
 洞窟の利用は、古いものでは縄文時代の痕跡があるようですが、主に弥生中後期からで、漁労の場、住居、墓として、と利用の仕方も変化しながら、中世まで続いていたことが、土器片などの出土品からわかるそうです。
 昭和初期に三浦の三戸遺跡や赤坂遺跡などの発掘を主導した赤星直忠博士が、戦後間もなく海蝕洞窟遺跡の発掘にも力を注ぎ、その薫陶を受けた人々がバトンを繋いで、現在進行中の白石洞窟遺跡発掘調査に引き継がれています。関わった人たちの熱い思いが伝わってくるようです。
 今度はどんな発見があるでしょうか。
松原あかね

 

 

 

 

今日の小網代

2022年7月6日(水)

主人と小網代の森に入る。
森の中はガビチョウにウグイスの鳴き声、トンボや蝶が飛び交う。
干潟ではチゴガニがダンスをしていた。
水道広場から階段の途中ビロード状の葉はクサギ、ハンゲショウは白く色づいていた。シオカラトンボは盛んに飛び交い、モンキアゲハは水たまりで一休み。
緑の中に、幾つもの大きな白い花を付けたヤマユリを見つけた。真ん中湿地ではガマの穂が揺れている。どこも緑が茂って木道に迫っていた。
イギリス海岸は広く潮が引いていて、カニがダンスをしている。残念!携帯では写真を撮っても豆粒でしかない。
時おり茂みがガサゴソ音を立ててビックリさせられた。犯人はヤナギテラスで解った気がする、木の根元に長い耳が見える、野ウサギが草をはんでいた。近づいて写真を撮ろうとすると逃げ出すが、直ぐに草をはみ始める。
今日は人とあまり会わなかった、景色を独り占めした気分で楽しかったです。
記 Y.M

写真 S.M Y.M

 

 

 

 

今日の小網代

2022年7月20日(火)

雨の後むわーっとした暑さ、もしかして・・・
と思い立って森に行ってきました。
タマムシにもノウサギにも会えませんでしたが、
お目当ての変形菌には出会えました。

北尾根ではキクラゲを襲う巨大な変形体。
ちょっぴり連れて帰りました。
子実体ができ始める様子を見るのはドキドキ!
ただ駅までの道のりの暑さにやられたのか、
残念ながらうまく変身できませんでした。
H.N

写真 H.N

 

 

 

 

こあじろの森くらぶオリジナルカレンダー2023の画像を募集しています


こあじろの森くらぶオリジナルカレンダーの2023年版をみんなで作りたいと考えました。
カレンダーに載せる写真を募集しています。
応募された方には参加賞として、2023年版カレンダー(1部/人)をプレゼント。
ふるってご応募くださいますようお願いいたします。
応募資格:こあじろの森くらぶ会員とそのご家族、ご友人の方

募集要項

応募受付期間 2022年7月1日から2022年9月30日まで
応募作品 2021年10月から2022年9月までに小網代の森で撮影した写真またはイラストで、他に発表されていない作品(季節感のある写真が採用されやすいです) 横長の画像で500KB以上のデジタルデータ(可能であればJPG)
応募方法 info@mori-club.comに、申し込みメールをお送りください。メールタイトルを「カレンダー申し込み」とし、メール本文に、お名前・ご住所を明記してください。こちらからご案内メールを返信させていただきます。
選  考 2022年10月にリモートで選考会
発  表 2022年11月下旬発行のこあじろの森くらぶ通信に掲載
お問合せ info@mori-club.com(写真受付担当)

 

 

 

 

こあじろの森くらぶ NEWS

スタッフの活動

2022.05.29(日)    通信No.31印刷(横須賀市立 市民活動サポートセンター)
2022.06.03(金)    ホタル紙芝居作成(横須賀市立 市民活動サポートセンター)
2022.06.04(土)    第31回交流会「ホタルを見に行こう!2022」
2022.06.05(日)    ホタル紙芝居コピー及びラミネート加工
  スタッフ会議(リモート)
2022.07.08(金)   光の丘水辺公園スタッフ研修「変形菌」
2022.07.09(土)    スタッフ会議(リモート)
2022.07.16(土)   スタッフ会議(リモート)

 

 

ご寄付ありがとうございます

安西章次様 遠藤黎美様 大高義彦様 小田島一生様 柿島京子様 加瀬アンナ様
加藤紀子様 金木公子様 木村ちよの様 倉内太輝様 倉内ちひろ様 塩入一弥様
柴内朱美様 嶋津誠様 鈴木カヲル様 鈴木慶子様 祖父川精治様 高間玲江様
土屋圭子様 仲澤イネ子様 浪本晴美様 西川次代様 野内博様 橋美千代様
藤崎洋子様 別府史朗様 宮下孝一様 望月光子様 盛野成信・雅子様 山本述子様
以上の皆さまにご寄付をいただきました。大切に使わせていただきます。

 

 

 

 

第7回こあじろの森くらぶ総会のお知らせ

新型コロナウイルス感染の状況を鑑み、昨年・一昨年に引き続き本年もZoomを使用してリモート開催といたします。
こあじろの森くらぶサイトの会員専用ページから「第7回総会に参加する」ボタンをクリックしてください。
こあじろの森くらぶサイトアドレス http://www.mori-club.com/ を開き、画面左の「会員専用ページ」をクリック。
ログインに必要な「ユーザーID」と「パスワード」を本状に同封しています。 また、13:00頃から「お試しタイム」をご用意していますので、ご利用ください。
会員の皆さまにおかれましては、是非ご参加くださいますよう、ご案内申し上げます。
総会の資料として議案書を別添させていただきましたので、ご参照ください。
また、残念ながらご参加いただけない方は、同封の委任状をお送りください。
日 時 2022年8月28日(日)13:30~14:00
Zoomを使用してリモート開催
参加資格 こあじろの森くらぶ会員とそのご家族(申込不要)
総会第二部
6月の交流会で好評でした、紙芝居「ゲンジボタルものがたり」をオンライン上演します。乞うご期待!

 

2023こあじろの森くらぶオリジナルカレンダー掲載画像選考会

皆さまにご協力をお願いしておりました、カレンダー画像の選考をおこないます。実物の写真を並べて選ぶよりも、分かりやすいということで、リモート開催です。特に選考委員のようなものをもうけてはおりませんので、応募された方も、されていない方も皆さま自由にご参加いただきたいと思います。
日 時:2022年10月16(日) 13:00~14:00

 

予告第32回交流会「初秋 森の風は若返りの妙薬……かな?!」

10月になれば、コロナウイルスの第7波もおさまっているのではないかと期待して、交流会の開催を予定しました。どんな鳥に出会えるかしら?どんな虫たちにあえるのかしら?ワクワクですね。エノキテラスから、ちょっと干潟をのぞきに行きましょうか? 秋の始まりの一日、小さな花々を探したり、きれいな落ち葉や木の実を拾ったり、森の空気を心ゆくまで味わおうではありませんか。
月  日:2022年10月23(日)
参加資格:こあじろの森くらぶ会員とそのご家族、ご友人
※新型コロナウイルスなど感染症の状況によっては、予定が変更または中止になる場合があることをご了承ください。

 

 

 

 

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