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第12回交流会「変形菌を探そう!」スタッフ研修「変形菌追っかけ記」
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第12回 交流会「変形菌を探そう!」

2018年9月15日(土)
潮風スポーツ公園会議室にて

その日は雨でした。
雨をものともせず集まった20余名。
変形菌の実習講義をミュージアムパーク茨城県自然博物館の宮本卓也先生にしていただく日です。

小網代にもきっといるに違いない。
このまったく新しい生き物について、ほとんど何も知らない私たちは、宮本先生の熱のこもったお話を聴き、目の前に新しい世界がひらけました!

先生が何時間もかけて撮影した変形菌の動画は、ほんとうにめずらしく、すばらしいものでした。
さらに先生は実際の変形菌のサンプルをいくつもおもちくださいました。
それらを、これまた先生がおもちくださった顕微鏡で実際にみることができたのです。

変形菌とはなにか、変形菌の認識について、歴史的な変遷をまずは教えていただきました。
変形菌は粘菌ともいわれ、原始的な生物のひとつです。
動物でも植物でも、菌でもない、アメーバの一種だそうです。
多核単細胞の姿をして大きくなり、バクテリア等を餌としています。

あるときはアメーバのようでもあり、またあるときは子実体という、きのこのようでもあり、 胞子を飛ばして増えたりもします。

いったいなんなんだ!このいきものは!?
こんなものが私たちのすぐそばにいたなんて、私たちは見ても見ず、知らずに今までいたのです。



胞子から生まれたばかりの単細胞アメーバのときは細胞分裂をしながら増えます。

ところがそのアメーバの中に違う性別のものがでてきます。
性別は人間のように2つではなく、3つも4つもあるようです。
違う性別同士があたかも有性生殖のように一緒になると、それからは中の核のみが増えてゆきます。
1つのアメーバの中に多くの核がある状態です。多核単細胞!
このアメーバはどんどん大きくなっていきます。
そのようにして成長しながら、ある時ちいさな子実体となり胞子をつくります。
そして、胞子を風や雨などの力を借りてばらまくのです。

そんな不思議ないきもの、変形菌を具体的な写真と動画で先生は私たちにわかりやすく説明してくださいました。

変形菌を育てることができるそうです。
先生は実際にタッパーにいれた黄色いアメーバのような変形菌をみせてくださいました。
餌は通常はバクテリアですが、米なども食べると、そのタッパーに米粒をいれて、動いていないように見える変形菌の黄色いアメーバが実際に1時間後にはその米粒の上にのって米粒が黄色になっているのを見せてくださいました。
おーっ、眼にみえない速度ではあるが、動いているんだ、とみな息をのみました。

この変形菌アメーバの色は黄色、赤、オレンジ、白、透明などいろいろあります。
世界には約1000種類の変形菌があり、日本にはそのうちの約600種類がいるといいます。
先生が何時間もかけて撮った変形菌写真を動画にしたものを見せてくださいました。

子実体はちいさなキノコや房のようなかたち、きらきらした金属のように輝く美しいものもあり、とても小さいので変形菌の名前はみんな「なんとかホコリ」
先生が中心になって開催されたミュージアムパーク茨城県自然博物館の企画展「変形菌――不思議かわいい!森の妖精――」で展示された数々の変形菌データを実際にみせていただくこともできました。
お弁当中も私たちの初歩的な質問に答えていただき、昼食後は雨も小降りになった小網代の森へくりだしました。



なんと、森のあちこちで実際に変形菌をみつけることができたのです!

変形菌にはそっくりな菌やきのこなどもあり、実際に先生にご指導いただかないとなかなか見分けがつきません。みな、もう、この新しく知った生き物に夢中です。 宮本卓也先生にじかに教えをいただいたおかげです。

夕方、帰り途中のコーヒータイムまでご一緒していただき、 ほんとうにうれしい1日でした。

先生は観察会のあとにも、森でみつけた変形菌の写真を快く見てくださりコメントをくださいました。
また別の季節には別の変形菌が出るそうです。
これからの森歩きに新しい楽しみがふえました。

宮本卓也先生、お忙しい中、遠いところをおいでいただき、ほんとうにありがとうございました。
私たちは先生に開いていただいた新しい眼で森をあるき、変形菌をもっとみつけて小網代の森の豊かさをさらに満喫したいです。
(文 鈴木カヲル)
参考資料のご紹介
講師配布資料より

 <参考>
 講師配布資料より
(以上の写真 T.Ishizuka、浪本晴美)

 

 

ご参加の皆さまからメッセージをいただきました

 

 

 

 

スタッフ研修「変形菌追っかけ記」

   交流会の終盤、参加者が「先生、これは何でしょう?」と持ってきた腐木には、透明なゼリー状のものがたっぷりと。宮本卓也先生によると、変形菌の変形体の状態のようだけど、子実体を見ないと同定は出来ないとのこと。
 このゼリーがどんなふうに変化していくのだろうと興味津々!追っかけ観察しようと決め、場所をしっかり覚えて帰った。

9月17日
 近所の百円ショップでスマホ用のマクロレンズを買って出発。

 おやおや、ゼリーの周辺に黒や青の金属光沢の球状のものが、マッチのように並んでいるではないか!きっと、ゼリー状の変形体が周囲から子実体に変化している最中なんだ。なんてきれいなこと!スマホにセットしたマクロレンズの見せてくれた世界に驚く。
 木っ端でそっと雨除けの蓋をして帰宅。早速、川上新一解説『変形菌入門』を調べる。どうも、ツヤエリホコリらしい。
 この状況を逐一、森くらぶスタッフ有志にラインで伝えていたところ、すぐ先生に画像が送られお返事が返ってきた。子実体は確かにツヤエリホコリだが、ツヤエリホコリの変形体は白色。透明ゼリーは別の変形菌の変形体だろうとのこと(※)。
謎は残るがワクワクする展開!

9月19日
 昨夜はまとまった雨が降り、森じゅう水の流れる音。本日は透明ゼリーだけでなく、他の変形菌も探しながら歩く。何点かそれらしい写真を撮りながらラインで送る。
 透明ゼリーはボリュームが半分くらいに減少。ツヤエリホコリは金属光沢が失われて真っ黒に(宮本先生の表現ではマックロクロスケに)なって、元気なくしおれた感じ。もう胞子を飛ばして役目を終えたのかもしれない。

9月22日
 おとといの朝から雨が降り続き、昨日の夜中までしとしとと。シロバナサクラタデ真っ盛り。
 手の届く範囲の落ち枝を順に見ながら、変形菌らしきものの写真を撮る。
 例のゼリーの周りのマックロクロスケは、つぶれたように倒れてびっしり張り付いている。透明だったゼリーは白濁した部分がふえ、ボリュームもさらに減ってしまった。

10月3日
 9月30日の台風24号の強風の影響が気になって、森に入る。
 ゼリーの腐木には小さな甲虫がたくさん。ゼリーも無くなり、マックロクロスケも確認できず。ボロボロになって、木屑や虫の食べ痕ばかりになっている。
 ゼリーは木や土の中に移動したのか、あるいは虫に食べられたのだろうか?探求はここで終わってしまった。

 あの時のラインを基に再現して記しましたが、1人で観察しても情報は瞬時に仲間と共有でき、さら に感想や新たな情報が返ってくるこのライン、使えるやつです。まるで実況中継をしているようで、順序が狂わず、写真も入り簡単な野帳として最適ではないでしょうか。
  ともあれ、浪本さんのお骨折りで先生に写真を見て頂き、ひとつひとつ丁寧にコメントまで頂きました。感激です!
  私の撮った写真、ツヤエリホコリの他はほとんど変形菌ではなく、菌類などのそっくり生物だということもわかりました。トホホな結果ですが、めげずに変形菌眼を鍛えたいと思っています。
松原 あかね


 

 

第13回交流会「小網代の森は 秋まっさかり!」



 

 

サロン小網代

随 想

 

 

 

横須賀のトンネル道

2018.11.1 祖父川精治
 東京湾に面した横須賀は、トンネルと坂の多い地域である。 特にJR横須賀線、京浜急行、国道16号はトンネルの連続で、最も有名なトンネルを選ぶとすれば横須賀線の田浦駅。ホームの下り方向と上り方向は前後をトンネルに挟まれ、長大な11両編成では一部トンネル内へ停車しドアーが開かない。横須賀方向の明治、大正、昭和3代と横に並んだ3連続の七釜「しっかま」トンネル97メートル。トンネルの外装仕上げ等も歴史的な年代によって異なり、珍しい景観は鉄道マニアを魅了する。
 昔から小さな峠越えや、遠廻り道を避けて次々にトンネルが掘削されていった。住み暮らす人達に親しまれてきた生活のトンネル道で、それぞれ全てに名称がありとくに親しみを感じる。現地では、トンネル・隧道と表示が異なる使い方なので、ここでは全てトンネルという文字に統一した。横須賀市内の代表的なトンネルを幾つか選び紹介することにする。
 向坂トンネル 68メートル 昭和8年1933年完成
京急追浜駅から少し戻り、広い踏切を渡り左折する。谷戸の突き当りの手前、左側にある。当初は素掘りであったが、昭和58年改修した。
 平六トンネル 90メートル 昭和14年1939年完成
踏切と国道16号を信号で渡り、左折する地点に「平六トンネルは歩行者専用である」と表示がある。通り抜けた所は、浦郷小学校の裏手側。手を伸ばせば天井に手が届くような小さなトンネルであったが、近年改修された。
 深浦トンネル 106メートル 明治44年1911年完成
 車道を横切り直進、深浦トンネルを確認してから戻る。深浦は文字どおり入り江を囲む漁村であった。住民は難儀をして山越していたので、地元の独園寺住職が掘削して開通させたと伝わる。入り組んだ周辺海岸では、盛夏クサフグの産卵場で知られる。
 筒井トンネル 68メートル 明治38年 1905年完成
南方へ車道を進む。このトンネルは天井が高く、歩道幅と比べ調和が異なる。道路を深く掘削し改良工事をしたためといわれる。
 梅田トンネル 204メートル 明治20年 1887年完成
榎戸バス停の先、右折。明治19年軍港拡張のため、周辺地域は立ち入り禁止となったという。そこで、住民有志が多額の費用を捻出して、横須賀では始めて民間専用のトンネルとして開通した。それを記念した、大正4年1915年建立の石碑が近くにある。
  比与宇トンネル 130メートル 昭和20年 1945年完成
JR田浦駅の南側。旧海軍専用で車道とレールが敷設してあった。貨物列車をトンネル内へ引き入れて、軍需物資の積み下ろしを行っていたものである。近くには、プロ野球の横浜DeNAベイスターズの練習グランドがある。

 

 

 

 

三浦半島の植物


ノブドウ(野葡萄) 2011年10月

 

 

 

 

 

小網代を詩う

 

 

 

 

小網代の森NEWS

スタッフの活動


2018.09.30(日)  10:00~ 小網代の森くらぶ通信No.13印刷・発送
 スタッフ会議(横須賀市立 市民活動サポートセンター)
2018.10.14(日)  10:00~ スタッフミーティング(横須賀市立 市民活動サポートセンター)
2018.10.28(日)  第13回交流会「小網代の森は秋まっさかり!」
2018.11.13(火)  10:00~ スタッフ会議(横須賀市立 市民活動サポートセンター)
2018.11.17(土)  第14回交流会下見
2018.10~11  「小網代の変形菌」スタッフ研修のため、継続して森に入っています

 

 

 

 

ご寄付ありがとうございます

仲澤イネ子様  鈴木カヲル様  ありがとうございます、大切に使わせていただきます。

 

 

 

第14回交流会のお知らせ

「森を抜け 鳥の目、石器時代人の目になって! <相模湾から東京湾へ初コース>」
 数万年前の石器時代の人々が作った四角い落とし穴を皆さんにも是非見ていただきたい。スタッフ研修の成果? でこんな企画をしてみました。途中に冬鳥の賑やかな長井町の農業用水轡堰にも寄って見ましょう。バスを使って歩き時間を短縮しました。キャベツと大根の中を歩くのも楽しいですよ。
集合  12月1日(土) 三崎口駅前 10時  *荒天の場合は中止します
コース  
持ち物  弁当 水筒 あったら双眼鏡 天候によって雨具、防寒具 履き慣れた靴で
 バス代 680円 細かい地図は当日配布します。
 *品川~京急久里浜間往復で京急本線を利用される方は三浦半島1day切符が便利です
対象  「こあじろの森くらぶ」会員とそのご家族、ご友人
 * 保険はありませんので、ご参加は自己責任でお願いします。

交流会の後は年に1度の縁の会

 年に1度は宴会もイイネ! と、こあじろの森くらぶ恒例の忘年会。交流会にご参加の皆さまも、忘年会からご参加の皆さまも、食べて、飲んで、お話しして、いっぱい笑いましょう。ソフトドリンクもあります! 是非ご参加をお待ちしています。
会場   三浦海岸 地魚料理「漁火亭」
 三浦市南下浦町上宮田3348
 ☎046-888-0117
   
時間・会費  17時~20時 4000円(飲み物込)
申し込み  046-889-0067(仲澤)

 

 

 


 

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